フェラーリF1-88

Tameo(1/43)


・概要
フェラーリが88年にゲルハルト・ベルガーとナイジェル・マンセルを擁して戦ったマシン。この年は、かの有名な「マクラーレン・ホンダが16戦15勝を達成した」凶悪な年で、2002年も「マイケル・シューマッハの年」として語り継がれるだろうが、それと比較しても輪を掛けて敵無し状態だった。ただ、チームメート同士が優勝回数を2分しし烈なタイトル争いを繰り広げた点ではおおいに異なるが。
そんななか、イタリアのカリスマである「エンツォ・フェラーリ」が亡くなった「直後にむかえた」「イタリアGP」「フェラーリの聖地モンツァ」で、この年唯一の「マクラーレン・ホンダ以外の優勝」を「エンツォが自ら選んだ最後のフェラーリドライバー」であるゲルハルト・ベルガーが挙げるという、希有にして至高のドラマを持つこの車は、記録以上に人々の記憶に残る車となった。

・説明
ティフォージであれば避けては通れない名車の一つが、このF188である。もちろんドラマ性だけでなく、車自体も非常に魅力にあふれたスタイリングを持つのも名車のゆえん。
ところが実のところ、キット自体はパーツ不足のジャンク品を\1500ぐらいで買ってきたという、ドラマもへったくれもない購入動機だったりする。



全景より。Tameoは老舗メーカーでなおかつ今このジャンルではトップクラスのクオリティを持っているのだが、このキットの発売当時(88〜90年?)はしょぼいガレージキットとそう大差なく、時代遅れの代物だった。今のキットしか知らない人にはごみに見えるだろうな。


後ろから。今ではウイング、サスペンションアームなど薄くて細い部品はあらかた金属エッチングでパーツされているが、当時のキットは全パーツホワイトメタル製。要は型に金属を流し込んで製作している為ウイングも分厚ければサスペンションも太く、またヘロヘロに曲がって入ってたりする。もっともこれこそが正しい「メタルキット」のあり方ではある。ボディももっさりした形状の上、この頃のタメオキットの常でホイールベースが見るからに短い。よもやそのまま作る訳には行かないので大幅にいじることになった。メタルキットの大幅改造なぞ初めてのこと。大丈夫だろうか。


ローアングルで正面より。今やこのキットを手にする人もいないと思うのでさっくりと改造点を。
フロントウイングは翼端板を金属板より作成、キットのメインウイングを加工して取り付ける。リアウイングはまったくの新造。金属板や、他キットのウイングフラップを流用して何とか作成。
サスペンションは、メイクアップ社のエッチングサスアームセットを加工してすべて作り直し。タイヤ、ホイールもキットのパーツは使い物にならなかったので同様にアフターパーツを使用。


ローアングルで後ろから。いかにもワイド&ローなスタイルが今のF1にはない獰猛さを感じさせる。と思わない?(不安げ)
ボディの改造点は、胴体部分とモノコック部で3分割して2〜3mmホイールベースを延長(なんとプラバンで)し、また必要以上に太いモノコックを細くしたこと。細くするといって、文字どおりペンチでひん曲げたりして加工できるのがホワイトメタルキットの良いところだな。ただ、この時代の車にしてはちょっと細くしすぎてしまった。まあ、イメージ優先。

非常に手を掛けただけあってお気に入りの一台。いざ最終組み立てというときに、アロンアルファで一部ボディを汚してしまったあたりの詰めの甘さが実に悔やまれるものの。実は手だけでなく金もかなり掛かっている。挽きもののアルミ製ホイールやエッチングサスアーム、タイヤといったアフターパーツはどれも\1000円を大きく超える贅沢グッズ。バーゲン品の意味が無いというべきか、バーゲン品ゆえに節約できたというべきか・・・


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