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「ワイバーン」とは地球連邦軍の戦闘機で、型式番号はFF-08WR。
それまでの高々度迎撃機「フライダーツ」の後継として、地球の大気圏上層に侵入してきた敵機を迎え撃つ、地球防衛の新たな要の役割を担った機体である。
極超音速飛行に適したデルタ型のブレンデッド・ウイングボディを持ち、正面から見て緩やかにハの字を描く傾斜から、ウェイブライダー的な空力特性を備え、エンジンはターボファン/ロケット推進のハイブリッドタイプで、大気圏内〜低軌道をシームレスに運用可能だ。
機体の大きな特徴は2つ。
1つ目はコアファイターバリエーション機であることを示す「コクピットモジュール」で、既存の設計をそのまま使用できるほか、MSに搭載される非常に高性能なアビオニクスを流用出来るというメリットがあった。
2つ目は後方に大きく伸びた「テールスタビレーター」だ。MSの運用において実証されたAMBAC理論(※)を採用した作動肢は、宇宙空間での精密な姿勢制御と機動性、必要なプロペラント容積を獲得した。
これらMS並の頭脳と作動肢は、MS全盛時代の航空機としてMSとの親和性/運用の柔軟性/破格の機動性/精密な航行能力や射撃能力といったさまざまな要件を高いレベルで満たし、全領域戦闘機という新たなフォーマットを誕生させたのだった。
CPが非常に高く、高性能な新型機となったワイバーンは、あらゆる領域で使用されるべく様々なバリエーション機が生みだされていくことになる…
配備状況については定かではないが、宇宙世紀0087当時には既に実戦配備が行われ、一部はその特性からTMS(変形型MS)への機種転換のための訓練機として、パイロット候補生らに使用された。
全長:15.32m(テールスタビレーターを含まないと思われる)、全幅:9.5m、本体重量:15.3t、全備重量:20.0t、
推力:10,500kg×2、固定武装:60mmバルカン×1。
※AMBAC:宇宙空間において、モビルスーツが本体から離れた位置にある質量(四肢など)を移動することによって姿勢を制御、変更するという概念
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